20091223

木サッシと格子

問い合わせコーナーによせられるメールをよんでおりますと 「格子があるとなんとなく格好がよくなる」 というようなご意見があるようにおもわれます。
このようなことは、からだのどこかにあるものへの共感、ということだとおもうんです。 つまり、はじめてなのに懐かしさを感じるということが大事になってきます。

ですから、格子付の木サッシは、やはり現代では贅沢なハウスパーツといことがいえそうです。今日では、厚さ12mmの断熱ガラスを使う事が日本の最低基準になってきておりますから、よけいに格子のデザインが難しくなってきています。懐かしさを感じにくくなるようです。

そもそも機能美が格子の美ですから、まず見付寸法より見込み寸法のほうが掘り深くなっていないと、うまく共感できないようなきがします。格子は、障子の桟と同様に、いってみれば横からの力に耐える梁という機能です。
その起こりは、単にあってもなくてもよいものではなく、必要に応じた機能からはじまっています。
今日では、その起こりが進化し、形而上な”安定なかたち”として欧米やイスラム圏では多用されております。

HM木さっしの標準仕様は、そのコンセプトの根源に”比較的安価に木サッシを全国に普及したい。” というものがあります。ですから標準仕様では、格子の歴史的比例に安定感を探るような仕掛けをほどこすことは、むずかしいことです。
窓の框の見込み寸法(奥行き)40mmに対して、ペアガラス12mmをひき、のこり28mm, 両側にありますから2で割、14mm(ちり寸法を含まず)です。


木さっしの格子見込みは、14mmとなります。
見つけ寸法になりますと、格子材が暴れない寸法は、見込みの14に対して30mmが必要になりました。標準仕様の格子の見付寸法は30mmです。そうしますとたしかにどうしても張り付けた感じに見えます。

格子が形而上な安定を探るハウスパーツである。
ということにしますと、ガラスは、オプションの真空ガラスにいたしますと価格はあがりますが、本来の格子の安定した比例に近い形ができそうです。

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