20090715

引き違い窓と上げ下げ窓、その心は似ているのではないか。

石の建築が多い英国からの移民を中心として建国された米国では、古くから上げ下げ窓が日本で言うところの引き違い窓のように多用されてきました。
そんな「上げ下げ窓(ダブルハング)」は、日本のうつくしさ、やさしさと、”いかに自然体であるか” についてよく計算された「引き違い窓」に似て、西洋の引き違い窓ともいえるのではないか、と思うんです。

どこらへんの心が引き違い窓に似ているのか

それぞれの窓は、その成り立ちに、建物のつくりが大きく影響しています。
石やレンガでできた壁構造の建築物では、窓の幅を広げると、構造的な強さをうむ壁が減ってしまうという理由から、窓は縦に細長く進化し、上げ下げ窓が普及したものとおもわれます。
一方、日本のような木造の建築物は、骨組みで構造的な強さをうむことから、石造りの建物に比べて壁が少なく、窓の幅を広く取れるため、重力に逆らわない自然な開閉方式として、引き違い窓が普及したのだろうとおもいます。

石造りで引き違いの採用は困難でも、
現代の木造建築なら、上げ下げ窓も抵抗なく採用できる理由


今日は、皆が情報を公開、共有し、誰でもよいものにふれることができる時代なんですね。ここに、増田正先生の「屋根,棟飾」という写真集があります。

本を開くと最初に登場するのが、このすばらしい1887年の北海道、佐藤家の ”にしん番屋” の上げ下げ窓。じつにしっとりしております。


2002年、飛騨高山でも、直井昭夫さんを中心に創作された飛騨の家「直井邸」に、上げ下げ窓がきれいにおさまっています。


引き違い窓と上げ下げ窓とが、なかよく互いに助けあい、共存してほしい。


h/m木サッシスタッフには、そんなおもいがあります。