20110207

日本美の歴史の延長;
窓格子、なつかしいガラス戸、HM木さっし

ついこの間、ともだちから谷崎潤一郎著の「陰翳礼讃」をいただきました。
学生の頃、南洋堂(建築専門書店)の目録で必読書となっていましたから、”読んだことがある” という程度の記憶はありましたが、今回久しぶりに読み返す機会に恵まれました。

読んでいると自然に、格子付の薄ガラスの引戸などが思い浮かび、”木サッシ”という響きには”木さっし”としたほうが陰影ではないのか、気持ちがよいのではないか。と感じました。

木さっしには、窓格子がよく似合い、また、格子があることで窓全体の格好を比較的美しくまとめやすいのではないか。という印象があります。そのふさわしい比例には既に、地層のように積み重ねられた歴史や、機能的に洗練された美(例えば、見込寸法は見付寸法より深くとる等)が凝縮されています。


窓格子の比例が少し不安定な状態で身近な環境に現れだしましたのは、アルミサッシとフロートガラスが導入された1960年頃からです。およそ50年前になります。フロートガラスによって、大きな面積を格子のない1枚ガラスでつくることができるようになり、格子は必要ではなくなりました。素材は木からアルミに変わり、格子は装飾として扱われることで、機能や伝統に基づかない不安定な比例を備えるようになり、子供たちは、この50年の間、考え抜きに似せてつくられたアルミ製の窓格子や、防犯用出格子を見て育ちました。格好の悪い、かつ伝統の延長線上にない突飛な格子が、現代ではあまり受け入れられていないのも当然ではないでしょうか。

われわれは、歴史という地層を美を構成する場合にデザインエレメントとしてとらえることができます。フロートガラスやアルミサッシは、敗戦からおいつけおいこせ時代の産物です。当時は、歴史文化と経済急成長を共生させることなど無理であったであろうことは想像に難くありません。50年経ちました。経済成長は、歴史文化との共生、あるいは延長線上にあるような気がいたします。これまでにないもの新しいものを発明発案する土壌にもやはり歴史文化への共感や感謝が必要なのかもしれません。

古い数寄屋づくりの建築などで感じられるあの窓格子には、日本美の控えめな強さや美しさが感じられます。まさに、我々の思う美が表現されています。

そう考えてみますと、明治以降の大正、昭和、平成という時代は、我々の誇る日本美をもつ歴史の延長線上にはないのではないか。あと数世紀もすると、過ちをおかした時代として位置づけられるのではないか。などと思えてきます。明治までの日本では、お金の有無に関わらず、日本美というものが民衆の精神に根付いていたのではないでしょうか。我々の世代は、3代ほど先の子供たちに、日本美を持つ歴史の延長線を延ばし続けていただける環境づくりに専念することが、この美しい歴史をつくってくれた先人に対する義務なのかもしれない。と思わされました。

HM木さっし

20101117

HM木サッシと準防火地域

「準防火地域につかえる商品はないか。」
というお問い合わせをいただくことがしばしばあります。

HM木サッシには、現在のところ、
準防火地域の延焼のおそれのある部分に使用可能な商品はございません。

間違った使い方がないように、お見積書や発注時の確認書に
「防火地域、準防火地域の延焼のおそれのある部分ではご使用いただけません。」と注意事項を添えさせていただいております。

HM木サッシは、北米と日本全国へ向けて製作販売をさせていただいております。
すべてのプロジェクトの詳細な取り付け部分までは、把握することができませんので、おのおののプロジェクトの設計や工事をしていただいている方に間違いや事故のないように活字でご理解をおねがいしております。

アルミクラッドではない、無垢の木製防火窓は、現在市場にある中では、スウェーデンのVEST TECH社の製品が日本の風景には、ここちよい商品におもえます。
VEST TECH社のサイトはこちらになります。
http://www.vesttech.co.jp/veswood.html

われわれは、2013年には防火窓の認定を取得できることを目標としております。
よりシンプルな、日本にふさわしい、日本の” 防火HM木サッシ” の企画をすすめてまいります。

HM木サッシ

20101003

「窓と扉と素敵な住まい」 に掲載されました。

 
という特集雑誌(2010年7月発行)に
飛騨高山で木の窓を作る“HIDA MOUNTAIN 木サッシ” 訪問記
として掲載されました。
出版社はCHIKYU-MARU
価格は 1,500円です。



株式会社地球丸のみなさま、
わかりやすく我々を紹介していただきありがとうございました。
また、このようにたくさんの内容を紹介していただきありがとうございました。

HM木サッシ

20100925

木サッシと木製サッシの違い

広辞苑 あるいは、他に建築用語辞典等を引いてみましても
木製サッシというのは、まだ解説されておりません。
アルミサッシというのは、広辞苑にありました。アルミニウム製の窓枠とあります。
単にサッシをひきますと窓枠。とあります。
一般認識とは、多少違うのかもしれません。
樹脂サッシもありませんでした。

木サッシと木製サッシの違い ハウスオーナーの方へ

近代化による技術革新の産物であるアルミサッシを性能判断の基準ととらえ、材料をアルミに代えて木製としたものが木製サッシです。ですからどうしても部材寸法や、木部への仕上げ塗膜などが重厚になります。木製というよりは木質系という表現の方が商品、製品をイメージしやすいかもしれません。
木サッシとは、数寄屋建築期よりある自国の持つ比例美をもつ外部木製建具工事で難題とされていた断熱・水密・気密性を、オリジナルパーツを用いることで向上させ、窓と窓枠をセットにする事により”サッシ”として製品化したものです。木製建具工事→木製建具サッシ→木サッシと進化したもので、木製建具サッシの短縮形として位置づけています。

わたしたちは、弊社の窓を、木サッシ或は木建サッシと称呼しています。
いずれ、木サッシ(木建サッシ)と木製サッシの違いを一般でも識別しやすくなることを望んでもいます。

木サッシとは、”木は生きている。” “ですからすばらしい。”ということに重点をおいた木製建具サッシです。建築金物にしてもできるだけ素朴であることにこだわり、木品そのものを重視しています。木サッシの設置方法次第では、素地のまま、或は簡単な油の塗布程度でも使用を推奨いたします。例えば、充分庇の深い住宅では、素地仕上げも保証範囲とさせていただいております。

木は、生きていますから愛情やメンテナンスも必要となります。が、難しいことや、たいへんな作業は一切ありません。いわゆる”木製建具への心”の延長です。
木製サッシ木サッシは、アルミサッシからはじまったものなのか、それとも木(moku,もく)を起源とするのか。の違いです。

設計事務所や工務店の方へ は以下のような表現が理解していただきやすいかもしれません。

木サッシのなりたちは、現場製作的な木製建具の延長線上にあり、それに木製枠(サッシ)と、北欧、北米の最もシンプルな気密パーツを一体化させて、「木サッシ」と表現しているものです。

HM木さっし

20100814

日本の”観音開き” と、フランスの”ダブルフレンチケースメント”

両開きのドアや窓。それが親子であったり、そうでなかったり。
そのような木サッシの断熱性、気密性はどうなんでしょうか。という問い合わせが時々あります。


観音開きの魅力はやはり、左右の障子を開いたときに感じられる、方立て、つっかえ棒がないダイナミックな開放性と、それでいて、閉時は二枚の窓に分割されることにより、窓やおうちのアクセントとしてのやさしいスケールを感じとることができる、ということにあるようです。なんだか ”ひかえめなうつくしさ” ”もののあわれ” という日本美の思想につながっているようにも思えます。

こんにちでも、フランスに訪れますと、両開きのいわゆる観音開きという形式の外部窓は、あちらこちらに見つけることができます。米国では、Double French Casement, フランス式両開き窓と呼ばれています。古典的なものは、施錠金物が無垢の框に現しで取り付けられていたりして、とても品格があります。


両開き窓やドアで一番気密が鈍いところは、窓同士が閉まったときに触れる召し合せ部分です。
歴史的には、フランス式両開き窓やドアの召し合せ部分は、凸凹にしたり、互い違いに重なり合わせることで、外気の進入を防いでいました。左右の窓を自らで重ね合わせて開閉することになります。

今日においては、HM木サッシで仕様とされているシリコン製の気密パーツがありますから、この凸凹、重ね合わせ部分にこの部材を施し、方立てのない開放的な開口部を、より安心して住宅づくりにとりいれることが可能になりました。


ところで、やはり理想としては、建築金物というものは、あまり内蔵、内蔵としないほうが、金物の魅力を引き出すこともできて、よいような気がします。現しの建築金物は、実利においても、気密パーツ材を端部から端部まで完全に打ち回せるという利点があります。見込み部分に金物を内蔵しますと、その部分の気密処理には、少し特別な措置が必要になります。
観音さまの窓についておもったこと。

HM木さっし

20100703

いざ鎌倉へ

鎌倉というところは、誰もがあこがれる風景や歴史的品格をもちそなえた場所であるとぼくは感じています。小津安二郎監督の映画にある頼朝公についての一節がとてもすきなので、より一層そう感じているのかもしれません。

昨冬、雪深い飛騨高山の我々のオフィスtall barnまで、鎌倉武士のように俊足に、HM木サッシの視察にみえた方々がいらっしゃいました。すごい行動力をおもちでした。代表であり棟梁でもある三浦若樹氏にお伺いしましたところ、”我々は必要とあればどこであろうと目視確認にチーム全員で出向ています。” とのお話。すごい。この方達は現代の鎌倉武士ではないか。すごい人達に巡り会えたのではないか。と体で強く感じました。
鎌倉にあるその会社。伝統工法、国産材、木の家づくり、を看板に掲げられている”楽居”というたのしそうな屋号をもつ株式会社の方々でした。
三浦若樹氏が棟梁として設計、空間づくり、デザイン、墨つけ、職人さんへのリーダーシップをこなされています。
我々はとても嬉しくなり、いざ鎌倉へ。と、飛騨の山あいを縫ってこちらも大勢で現場見学をさせていただきました。我々飛騨の職人商人、すでにその肝を抜かれていました。


HM木サッシを運営している仲間には、設計士さんが多いんです。それに高山では、本格的伝統工法の真壁づくりを肌で体験しているんです。が、三浦氏のつくる住宅の玄関に入った途端、我々一同、その体の動きや言葉が止まっている事に気がつくまでにかなりの時間がかかってしまいました。。
飛騨高山あたりでも、ここまでの本格派伝統工法は、観光資源からの体力だけではもうほとんど新築できなくなってしまった時代に入って久しいのではないでしょうか。
三浦若樹氏のつくられるような ”住宅づくり”、その手法にひどく感心いたしました。設計やデザインがうまい棟梁でなければできない住宅づくりではないか。と感嘆いたしました。

空間にはやはり材料との会話が必要です。デザインがよくても材料の使い方がわかっていないと、そこは何か深みにかけた空間になりがちです。例えば、ぼくは設計がとても好きですが、まだまだ丁稚です。まだ材料と会話ができません。数寄屋建築の第一人者であった中村外ニ棟梁は、その掲げ言葉として、一に格好、ニに材料、三に仕事、と書を残されております。格好や材料を、職人としての仕事ぶりの前にうち出されております。さらに、飛騨高山には、名工:西田伊三郎棟梁による国の重要文化財:吉島家住居があります。とってもすごみのある、格好よし、材料よしという住宅です。
材料と会話をしながら美しい空間を生み出すことができる大工さんを棟梁と呼ぶのであれば、棟梁と現代の設計士が平等な立場でコラボレーションし、互いが意見交換できるようになると、また、そんな環境が自然にうまれるような場があると、日本の住宅は変わるような気がしました。こういった空間作りが日本の居住環境向上に必要ではないか。それが、昔あったような風景をよみがえらせるきっかけになるのではないか。そうなってほしい。と電流が少し強くなりました。

HM木サッシ

20100518

Posh Rabbit

いろはの “い”

シアトルにある島でデザインをしている仲間から、おもしろいなぁ。とおもえるはなしを聞きました。
おうちの新築を依頼されたらしいのですが、条件がすこし変っているんです。
窓はすべて支給、それも、どの部屋にどの窓が入るのかまでも与えられた条件であるということです。
おもしろそうな、というか、パズルを解くようなデザイン作業が要求されそうです。
それに、そんな事は日本ではありえない。と驚きました。
建て主は、窓を家具のように考えていらっしゃるのかもしれません。

家具であれば、このタンスは持ち込み品。としたり、新品でも、この家具はリビングへ。などありますから、必ずしも既に家にあったものでなくとも、窓を家具と思えばなんとか理解できそうです。
この窓を通してあの山を見たい。なんていう夢があれば、窓も家具のひとつといえるでしょう。こだわりがあれば、日本でも可能ではないでしょうか。
建築に詳しくないかたがおうちをつくる場合、一般的には専門家のアドバイスを受けるとおもいます。
予算の打ち合わせでは、「やはり木さっしは高価ですからアルミサッシにしてはいかがでしょうか」などという意見をいただくことが多いかもしれません。
しかし、建て主側でも勉強をして、勇気をもって逆提案ができれば、夢の実現に一歩近づくことができるのではないでしょうか。おうちをつくる総予算から、窓を家具のように先に買えるシステムが社会に存在すると、それは社会貢献になり得るかもしれません。

HM木さっし

20100411

木製サッシと木サッシの違いとは?

わたしたちは、書いたり話したりするときに、「木製サッシ」ではなく、あえて「木サッシ」であるとか、”木さっし” などと表現しています。
「木製サッシ」というイメージには、素材に自然を感じる。とか、懐かしいほがらか感がある。というものに欠けているというか、そこを的(まと)とは、とらえていないのではないか。という感がしました。

「木サッシ」という表現でわたしたちがイメージする要素は、
1)気密性断熱性は、標準以上ではありながらも、あまりそれに過敏でないこと。
2)操作はやさしく、操作部品はかわいらしく、機構は簡潔であること。
3)素材は、素地が美しいこと。自然感を望んでいること。
4)規格品であれば、価格は比較的安価な範囲内であること。
5)多様な特注形態に対応できること。すなわち職人の技も兼ね備えているサッシメーカーにより造られていること。

などがあげられるのでしょうか。そこには、大きな違いがあるんですね。
画像は、工事中の風景です。




TEAM HM木さっし

20100210

HM木さっし、価格の概念 その1

なんとか木製の外部窓をもっと自然に普及させたい、なんとか普及させたい、とわたしたちは考えています。住宅にアルミサッシを使うのが当たり前になって久しいですが、その始まりは豊かさを求めるというよりは貧しさから脱却するという視点で選ばれたもののように感じます。

しかし今、本当の豊かさを求める視点でみると、どんなに豪華なアルミサッシでも味気なく異質なものに見えてしまいます。その点木サッシは、居住環境を心豊かでより暖かなものにしてくれます。

HM木サッシは、そんな木サッシが多くの大切な時間を過ごす住宅を中心に広まって欲しい、という気持で作り始めました。ですから、比較的受け入れ易い価格帯に日々挑戦し続けています。

HIDA MOUNTAIN木サッシの製品は、これまでの数々の経験を活かし、必要なパーツを厳選し、無駄のない設計となっています。
限りなく自然でシンプルな意匠と、米国開発のシリコン製オリジナル気密パーツをあわせてこの価格帯を実現しています。さらに、今後の展望としましては、アクセントとしてのつまみ類、手で触れる金物にも、木と調和する、オリジナルの製品をこの春には、導入していきたいと考えています。



木さっし1セットの価格には、網戸もガラスも入っています。

たとえば・・・
6尺間に入り(w=1690mm)その高さ1200mmの引き違い窓が、
定価120,000円です。

たとえば・・・
3尺間に入り(w=780mm)その高さ1200mmの上げ下げ窓(ダブルハング)が、
定価92,000円です。

網戸もガラスも入って、
木製サッシでは比較的お手ごろな価格帯を実現することができました。
自信があります。
ぜひ、価格表をダウンロードしてみてください。


木さっし

20091223

木サッシと格子

問い合わせコーナーによせられるメールをよんでおりますと 「格子があるとなんとなく格好がよくなる」 というようなご意見があるようにおもわれます。
このようなことは、からだのどこかにあるものへの共感、ということだとおもうんです。 つまり、はじめてなのに懐かしさを感じるということが大事になってきます。

ですから、格子付の木サッシは、やはり現代では贅沢なハウスパーツといことがいえそうです。今日では、厚さ12mmの断熱ガラスを使う事が日本の最低基準になってきておりますから、よけいに格子のデザインが難しくなってきています。懐かしさを感じにくくなるようです。

そもそも機能美が格子の美ですから、まず見付寸法より見込み寸法のほうが掘り深くなっていないと、うまく共感できないようなきがします。格子は、障子の桟と同様に、いってみれば横からの力に耐える梁という機能です。
その起こりは、単にあってもなくてもよいものではなく、必要に応じた機能からはじまっています。
今日では、その起こりが進化し、形而上な”安定なかたち”として欧米やイスラム圏では多用されております。

HM木さっしの標準仕様は、そのコンセプトの根源に”比較的安価に木サッシを全国に普及したい。” というものがあります。ですから標準仕様では、格子の歴史的比例に安定感を探るような仕掛けをほどこすことは、むずかしいことです。
窓の框の見込み寸法(奥行き)40mmに対して、ペアガラス12mmをひき、のこり28mm, 両側にありますから2で割、14mm(ちり寸法を含まず)です。


木さっしの格子見込みは、14mmとなります。
見つけ寸法になりますと、格子材が暴れない寸法は、見込みの14に対して30mmが必要になりました。標準仕様の格子の見付寸法は30mmです。そうしますとたしかにどうしても張り付けた感じに見えます。

格子が形而上な安定を探るハウスパーツである。
ということにしますと、ガラスは、オプションの真空ガラスにいたしますと価格はあがりますが、本来の格子の安定した比例に近い形ができそうです。

20090926

米ヒバからアラスカ桧へ、単語の進化。Maybe!

日本通のアメリカ人の友達に
なぜ米ヒバという口称を好んで使うの、と聞かれます。

えっ。なぜかといわれても,返答に困ります。

この北米材の木品を我が国の先人たちが吟味した際、かの美林として有名な “青森ヒバににているではないか。” ということで米ヒバと呼ばれるようになったとつたえ聞いております。

友人曰く、ヒノキと米桧(ベイヒ)では、ベイヒは、かわいそうに聞こえる。というのです。差別を感じる・・・ともいうんです。
米松には、ダグラスファーという本名があります。米松材も我が国では、あまり堂々とした存在ではなくきれいだから米松。というよりは、この単価だから米松。というような間違った一般解釈が、高度成長期を通して定着しているのではないか。

どうおもう? と聞いてきます。
たしかにダグラスファーのほうが、なんだかわからないけどきまっていて気持ちがよい感じもします。

米ヒバの口称には、 ほかに、
アラスカシーダー、イエローシーダー、さらに、アラスカヒノキというのがあります。


たしかに米ヒバと呼んでいただくよりは、 アラスカ桧と呼ばしていただく事が、日本人一般のわれわれには、なじみやすいかもしれません。 感動しやすいかもしれません。 それほど、きれいな白木な木品ですから…。
アラスカの響きには、熊や大自然、その勇大を感じます。

米ヒバと聞いて、青森の美林を感じられるのは、山の達人か学者先生あるいは明治維新にまでさかのぼらなければその名に美を感じられにくいかもしれません。

またおなじことを聞かれたので、ここに話題とさせていただきました。


-  材種 : アラスカ桧  -

20090917

H/M木サッシのガラス押さえとそのこころ


木サッシを設計するときには、窓のガラスは、 外部からおさえるのか、
内部からおさえるのかという  Y字路 にさしかかります。

H/M木サッシでは、
ガラス交換を可能にする取外し可能なガラス押さえは、部屋内に施してあります。
ガラス押さえ部材は、14ミリ×14ミリの米ヒバ材です。
ビスは、0.5尺ピッチです。1997年より始めました開発。
いろいろと試作に試作、外押さえを試作したこともあります。
研究結果、標準仕様は部屋内にガラス押さえを。 というおさまりです。


ただし、そこは、HIDA MOUNTAIN 木サッシ。
どのような意匠的ご要望にも特殊、特注サッシとして対応可能です。
H/M木サッシ独自の気密パーツや窓の可動パーツを特殊な納まりや意匠に組み込む事で、特殊解対応させていただいております。
画像は、特殊仕様のガラス外押さえの事例です。



※ なぜ、部屋内にガラスおさえなのか?

  1. 防犯性を重視しています。外部にガラス交換用のビスが露出されている。
    というのは、心理的に不安を与えたり、感じたりしてしまいます。
    自然体なリラックスを住居にをかかげている木サッシ。としては、やはりガラス押さえは、部屋内からのセキュリティー設計です。

  2. 水密性を重視しています。
    我が国は個性のある四季がうきあがるお国柄です。
    蒸し暑い時、日照りの強いとき、雨の激しい時,じめじめしている蒸し暑さ、しみあがる凍り上がる寒冷地。外部に14ミリx14ミリの繊細な部材を施す事は、どうしても水納まりに無理が発生します。無理がかかる状態では、安心できませんので、ガラス押さえは、部屋内です。

20090828

Austin, Texas の木サッシ情報

今回は、視察の機会に恵まれたテキサス州オースティンからの木サッシの風景の報告です。

現状、ほとんどの市民住宅は、アルミサッシ、あるいは樹脂サッシでした。
価格の問題のようです。貧富の差が激しいようにも感じられました。
予算がふんだんにある豪邸は、木サッシがつかわれているようです。

また、農家住宅地帯に滞在しているためですが、おうちのサイズが、巨大です。
窓のサイズも巨大です。
掃き出しの高さも、この家は、8尺、2.4メートルで標準です。
どんなものでも、テキサスは巨大らしいです。 
全米では、あらゆるものの小規模化が進められていますが、
テキサスは違うようです。

(テキサス州オースティンにある州庁ビルは、19世紀の官庁ビル)

高校の教科書づくりをしているBrenna Switzer さんから、
こんな話が聞けました。

“テキサスの住宅でも、やはり家具は木製が好まれます。わたしには日本の住宅は、家自体が家具仕様のように伺えます。
さらに日本は、どの業界においても、コンパクト化に優れています。 
現在米国全体では、その考え方を丹念に研究しようとしている傾向があります。
木サッシが使いたい人は、使うことができるように、環境整備が必要です。でもまずは、テキサスの人たち自身にそうしたい、そのような居住スタイルもあるんだ、いいんだ、という意識の発展が必要とおもわれます。 現実的には、テキサスではまだまだ時間がかかるでしょうね。”
ということでした。
歴史上にある ”男児のファッション” としての根付(NETSUKE)などというはなしもでてきました。おどろきました。(ぼくより詳しい。)

この話を聞いて感じた事は、我が国の市民住宅で、世界にさきがけて、広く木サッシを導入してゆくことができれば、居住美の見本として世界に貢献できるのではないかということでした。

日本の住宅は、先進諸国にひやかされたような ”ウサギ小屋” ではなく、”粋な家具な住居” であってほしい。そのためにも、やはり床面積なども安易に西洋にまねるようなことなく、コンパクトな美を追求してほしい。 
そのように教えられているように感じました。

TEAM木サッシ

20090807

ログハウスの雑誌 「夢の丸太小屋に暮らす」 9月号


7月30日 木曜日発売
ログハウスの雑誌 「夢の丸太小屋に暮らす9月号」

上記の雑誌にて、以前ご紹介させていただいた
弊社の新製品: 上げ下げ窓・縦滑りだし窓が掲載されました。
 
お時間がありましたら、
是非、一度ご覧頂ければ嬉しく思います。 
 

20090801

HIDA MOUNTAIN木サッシのオリジナル。ってなんなんだろう。

アルミサッシなどの窓の可動パーツは、おのおののメーカーのオリジナルパーツです。 大手木製サッシメーカさんもオリジナルパーツです。
H/M 木サッシは、メーカーなんですが、すべてがオリジナルパーツではないんです。 が、国内で調達しにくいパーツがつかわれています。
10人のメンバー(役員)のうち3人がアメリカにすんでいます。
日本にあったらいいなぁ、でもいまのところない。いつの日かは、自国で、どなたかがぜひ製作し、みなが共有できるようになってほしいなぁ。というパーツをつかってあります。 そのパーツ、ハウスパーツとは、シリコン製の気密パーツ、と窓の可動パーツです。

窓の可動パーツでは、
上げ下げ窓(ダブルハング)、たてすべりだし窓(ケースメント)、突き出し窓(オーニング)の可動パーツは、国内で直接入手できないハウスパーツがつかってあります。在庫品をTAll BARNにそろえて、充分、調査、研究して、木サッシの可動パーツとしてあります。
オリジナルではないんですが、日本の木造建築に似合う木サッシ。として、上げ下げ窓、たてすべりだし窓、突き出し窓を木サッシのラインアップに加えることができました。日本に似合う木サッシを日米共同で考案、提案しています。

20090729

木サッシと外部木製建具としての窓。の違いとは、なんなんだろう。

サッシというものは、窓と窓枠がセット。で、サッシです。
外部木製建具は、通常は、窓枠は、大工さんがとりつけてくれます。
窓は、建具屋さんがつくってくれます。

木は、生きていますから、うごいたりするんです。
故障がおきた場合、責任の所在が、あいまいになりがちです。
大工さんにみていただくのか、建具屋さんに、みていあだくのか、設計士さんも工務店さんも、悩んでしまう場合があります。

気密パーツや窓の可動パーツは、窓とまどわくの間に必要なんです。
大工さんがつけるのか、建具屋さんがとりつけるのか、むずかしいところです。

20090715

引き違い窓と上げ下げ窓、その心は似ているのではないか。

石の建築が多い英国からの移民を中心として建国された米国では、古くから上げ下げ窓が日本で言うところの引き違い窓のように多用されてきました。
そんな「上げ下げ窓(ダブルハング)」は、日本のうつくしさ、やさしさと、”いかに自然体であるか” についてよく計算された「引き違い窓」に似て、西洋の引き違い窓ともいえるのではないか、と思うんです。

どこらへんの心が引き違い窓に似ているのか

それぞれの窓は、その成り立ちに、建物のつくりが大きく影響しています。
石やレンガでできた壁構造の建築物では、窓の幅を広げると、構造的な強さをうむ壁が減ってしまうという理由から、窓は縦に細長く進化し、上げ下げ窓が普及したものとおもわれます。
一方、日本のような木造の建築物は、骨組みで構造的な強さをうむことから、石造りの建物に比べて壁が少なく、窓の幅を広く取れるため、重力に逆らわない自然な開閉方式として、引き違い窓が普及したのだろうとおもいます。

石造りで引き違いの採用は困難でも、
現代の木造建築なら、上げ下げ窓も抵抗なく採用できる理由


今日は、皆が情報を公開、共有し、誰でもよいものにふれることができる時代なんですね。ここに、増田正先生の「屋根,棟飾」という写真集があります。

本を開くと最初に登場するのが、このすばらしい1887年の北海道、佐藤家の ”にしん番屋” の上げ下げ窓。じつにしっとりしております。


2002年、飛騨高山でも、直井昭夫さんを中心に創作された飛騨の家「直井邸」に、上げ下げ窓がきれいにおさまっています。


引き違い窓と上げ下げ窓とが、なかよく互いに助けあい、共存してほしい。


h/m木サッシスタッフには、そんなおもいがあります。

20090707

歴史と今日の関わり、木サッシ篇

木製サッシの開発にあたり、
日本では、購入できないパーツがあったので、ぼくたちは,継続的に、いろいろな調査をしています。そんななかで、協力者のひとりに、いつも丁寧にやさしくアドバイスをしてくれる
Pella Windows & Doors ベルビュー市支店の Rich Bennettさんに、いつも冗談で、H/M木サッシとPella 社が協力し合ったら新しいマーケットがひらけるのではないですか、と、会う機会があるたびに話しをします。
現在、ペラー社は、最大手の伊藤忠さんが総代理店ですので、なかなかそんなことはできなんですが。。。。。。。
そんなやさしい Rich Bennett さんから聞いた話です。



全米を簡単にアメリカが西へと開拓をした歴史にあるように、 アメリカを3つに分けてみます。
まずは始まった東海岸(ニューヨーク、ボストン、ワシントンDC、フロリダ)、その次に海のない中程辺り、(デンバー、シカゴ、あたり)最後に一番若い、西海岸(ロス、SF,シアトルあたり),この3つのグループにわけてみます。

そうしますと、東海岸グループでは、住宅建築の70%が、木製サッシ。
グループ2のデンバーなどでは、40%、西海岸では、5%おもしろいですね、学者ではないので、わかりませんが、これは、いかに、アルミサッシや樹脂サッシが誕生した時点で、その各々のコミュニティーにすでにある,既存する、かわいいきれいな木サッシのおうちがどれだけあったかというようなことではないかとはなしてくれました。

ようするに、歴史を感じるかわいいきれいなおうちばかりのあるところでは、そのよさをしっているので、あたらしく住宅をつくるときでも、リモデルでも、窓は木製。というところはいくら予算がなくても妥協できない、ということ、逆に、まわりになんにもなくて、まったくあたらしいコミュニテーをつくるようなこところの多い西海岸では、業者は、どれだけでも安く供給したいので、樹脂サッシが90%。

いや,実におもしろいですね。(ちょっとはなしはそれますが、アルミサッシは、米国では、現在ほとんど住宅には,使われていません。なぜなんだろう。)

日本では、どうなんでしょう、やはり戦中、戦後のゼロ以下のまずしさからの再出発になりましたから、どうしても安くて安価なメンテナンスフリーのアルミサッシにいくらまわりにすばらしい木サッシで、できている古い民家が散在していても、やはり、アルミサッシになってしまてきていました。

ただ、今こうして記事を書いているわたしの世代はぼくたちの世代は、まだ少しではありますが、こころのゆとりをのぞむように多少すこやかに人生を歩む選択もゆるされてきているようなきがします。
たとえば、多少全体の家の面積を小さくしてでも、質にこだわる、窓を家具扱いできるような生き方も、選択肢にはいってきているようです、たいへんうれしくおもいます。私感です。
少しずつではありますが、がんばってます,ニッポン。


記事: 「歴史と今日の関わり、木サッシ篇」
木サッシ STAFF: 恭多

20090624

木サッシ  「人々窓」

3連の引き違い窓です。
”人、人” という洒落なのだろうか。外から見ると、”入り、入り” の大入り。をねらう縁起ものなのだろうか。

そういえば
日本美の洒落。として板看板のあまよけなどに、入りの字が多用されています。古い町家がつらなうような筋で、めにとまります。
この人々の木サッシ部の樹種は、一位一刀彫の”一位”という赤みを帯びた美しい木品が’つかわれています。その他の部材は、木曽檜。 
木サッシ用の気密パーツを多用すれば、外部木製サッシにも、このような自由な発想をとりいれることができるんですね。

作業工程としましては、まず、
建て主さんの想い、設計士さんの基本案、Hida mountain木サッシの窓口オープンと製作図検討。こだわる飛騨の職人による計画のチューニング。
Hida mountain木サッシの特別価格対応。ひとまわりして、建て主さんのの再確認。 そして、職人が、木取りをはじめます。一位と語り出します。

そんな、HIDA MOUNTAIN 木サッシ

20090613

木製サッシ 突き出し窓 できたてです!

手作りで、販売を始めたばかりの
突き出し窓 です。

突き出し窓は、本来、引き違い窓同様、原理がシンプルでした。通風窓として、日よけとして、さらには、雨よけとして、古き日本建築、数寄屋建築にみることができます。
開時は、上部を吊元として、下部は細い竹で窓の自重を支えていました。
引き違い同様、仕組み、システムがわかりやすく、人間の知覚、居住感覚にやさしい、バナキュラーな窓といえそうです。一般的に今日では、細竹にかわりヒンジを用い、窓を片持ちに持ち出す機構が使われています。ですから突き出し窓は、あまり大きくない窓に適しているスタイルのようにおもいます。

西洋では、AWNING(オーニング)と呼ぶそうです。突き出し窓(オーニング)は、ぱっと見、片開き窓を90°回転させたようなものですが、片開き窓より、建築金物(ヒンジ)の許容重量は、重量型が必要になります。窓を開けたときの水平投影面積が増えるからです。

また、ヒンジの種類をかえるだけで、片開き窓(ケースメント)を、たてすべり出し窓(スライドケースメント)にアップグレードできるように、突き出し窓(オーニング)も、外側のガラス掃除ができるように、■よこすベリ出し窓(スライドオーニング)■に、置換が可能です。ただし、重量型ヒンジの分、たてすべり出し窓より、割り増しになります。

世界中の研磨された技術をとりいれ、日本のきめ細かい職人技でつくり込む窓。 日本の木サッシとは、どのメーカーさんのものでも、そのあたりが基本であり、かつ、要であるような気がしました。

20090604

木製サッシ 縦滑りだし(ケースメント)窓 仮置様子













先日できあがってきたばかりの、
縦滑りだし(ケースメント)窓 を、事務所の窓に仮置きしてみました。

おぉ~、我ながらいい感じでは、ありませんか~!!

建物の外壁添いをながれる、
新緑色の風を、丁度いい具合に事務所の中へと誘ってくれます!

これまでの木製サッシでは感じられなかった、
季節の風を感じることのできる窓です。
かなりオススメです!


~詳細~

材質: 米ヒバ
ガラス:  3+A6+3 透明ペアガラス
寸法: W×H=600×950
他: 網戸(有)

20090529

上げ下げ窓(シングルハング) 製作風景













◇窓の形式
◇上げ下げ窓(シングルハング)+はめ殺し+上げ下げ窓 3連窓(特別注文品)
◇福岡県 H工務店 Y様邸

製作風景です。 
上げ下げ窓(シングルハング)は、むかしの古い洋館によくあったようです。
大正、昭和初期。なぜなくなったんだろう…。
最近はあまり町並みでは、見慣れない容姿です。

それにしても、工場に歴史を感じます。やはり、日本は、職人の国です。
われわれの木サッシは、飛騨高山の職人さんによる手造りです。

20090521

新製品 木製サッシ 縦滑りだし(ケースメント)窓













新製品 
木製サッシ 縦滑りだし(ケースメント)窓

20090519

新製品 木製サッシ 両上げ下げ(ダブルハング)窓




新製品
木製サッシ 両上げ下げ(ダブルハング)窓

20090507

HIDA MOUNTAIN 木サッシ ブログデビュー (。・_・。)ノ

ブログデビュー
 HIDA MOUNTAIN 木サッシ でーす!汗
よろしくお願いいたします。

Hida Mountain 木サッシには、21世紀を生きる日本の人々の未来を、少しでも心豊かで、より暖かなものにしたいという想いがこめられています。手で触れ、香りを感じ、時を重ねる味わい、景観に溶け込む一体感を肌で感じてほしい というような想いであります。

一本一本すべての木サッシの発送出荷時には、スタッフ一同のこうした想いとともに、日本全国へお送りさせていただいています。 私たちは "居住" というものを、やさしく、つよく世界に貢献できる国づくりにおける、形なき足固めとしてとらえています。居住を通じて培われる心や体が、より豊かであるように願います。

2009年度の社内テーマ "コミュニケ-ション" を念頭に、日米総勢10人のメンバーで、木サッシに興味を抱いていただいているひとりひとりの方に、Hida Mountain 木サッシの魅力をよりわかりやすくご紹介させていただいています。ぜひお気軽にお問い合わせください。木サッシに興味を抱いていただけましたこと、心より感謝いたします。
                           役員一同